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 ニャンと気ままに…♪   

🌸日常生活の雑感と他愛のない詩など小作品を紹介します       comment もお寄せ下さいね。      

76. 「殺人」

「殺人」

私は人を殺してしまった
確かな手ごたえはなかったけれど
誰かを殺してしまったらしい
一人 二人 いや何人かが
追いかけてくるのが分かる

私は必死で逃げる
どこか中近東を思わせる
崩れかけた古い街並みを
声にならない声をあげて
スローモーションで逃げている

ピストルの弾が左肩をかすめて
白い建物の壁に穴をあけた
ピシュとも音はしなかったが
壁がホコリを上げて崩れたので
それが分かった

行く手に小さな戸口があった
とっさに体を丸めて潜り込むと
そこは生まれ故郷の古い台所で
母がカマドに這いつくばり
火加減を覗いていた
ただいまとも言わず
おかえりとも言わないで
何ごともなかったように
私は食卓についた

ところで私はだれだっけ?

そう思ったとたん目が覚めた
たっぷりと汗をかいていて
左腕は五十肩の鈍い痛みだ
私は夢の中でいったい誰を
殺してきたのだろう
どれほどの憎しみを
夢の中まで引きずっていったのか
それとも私を恨んでいる人への
自己防衛の殺人だったのか

思い当たる人が一人や二人
いないでもないが…


※夢ってどうして恐いとか苦しいとか嫌なものが多いのでしょうね。不思議。
 

  
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