ニャンと気ままに…♪   

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42. 詩「その手たち」

   ----その手たち---

    その手をとめてください
    際限なくしゃべり続けようとして
    二人の間の小さな空間を
    ひっかきまわしている
    その手の動きをとめてください

    風の中に忘れ去られた風鈴のように
    壊れかけたカラクリ人形のように
    せわしなく目の前を行き来して
    口よりも雄弁に言葉を紡ぎ出している
    止めどない その手の動き
 
    二杯目のコーヒーが冷めてしまったことに
    あなたは気づかないでいるけれど
    わたしが相槌も打てないでいるのは
    饒舌な もう一人のあなたに
    すっかり疲れ果てているのです

    いいえ いいえ    
    その手をとめないでください
    あやとりをする手つきで
    空にクモの巣をかける鮮やかさで
    互いの音の無い世界に
    手話という方法で
    心を伝え合う人たち

    駅のホームの向こう側とこちら側で
    若者たちがおしゃべりをしている
    指の先から生まれた静かな言葉たちが
    線路の上で飛び交っている
    小さな笑い声と笑顔がこぼれる
    マジシャンのように優雅で
    美しいその手の動きを
    どうぞ止めないでください
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