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 ニャンと気ままに…♪   

🐱🌸日常生活の雑感と他愛のない詩など小作品を紹介します        コメントもお寄せ下さいね。      

126.元日の朝

「元日の朝」

365日の手あかにまみれた
最後の1ページをめくると
そこにはいとも眩しく
真っ白な元日の朝があった
雪の白さではなく
雲の白さでもない
ただた神聖な白さなのだ

ここに何を書きはじめ
なにを書き足していこうかと
心を静め思案に思案をめぐらし
ようやくに初めの1筆を記したとたん
奇声をあげて飛び込んできた孫という名の子犬たち

白い世界はたちまち
赤や黄や紫を散りばめた
キラキラの万華鏡の態をなし
もはや私が書きこむ隙間など
どこにも見当たらないのであった

あれこれ古いノートを整理していたら、ずいぶん昔にかいた詩が出てきました。ここに登場の孫は常にくるくると走り回る双子の男の子です。この忌まわしいコロナ禍のなか、今では共に大学受験の年齢となりました。前途に幸あれと願うばかりです。

娘がこの2人をお腹に宿して産院に診察に行ったとき、医師からは何とも残酷な宣告を受けました。「この双子は一つの袋に入っているために無事に育つことができません。万がいち、一人だけが助かったとしても障害をもって産まれます」。淡々とした説明。
帰路の車中で涙にくれる娘…このままでは帰れないと別の産院に行きました。すると「大丈夫です。この2人の間にはうっすらと膜が映っています。だから二つの袋で別々に栄養をとってそだちますよ」。その神のような言葉に娘はまた涙しました。

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